咽頭結膜熱

咽頭結膜熱(咽頭結膜熱)の概要

咽頭結膜熱は、アデノウイルスというウイルスが原因で起こる感染症です。主に夏場に流行し、小児に多くみられます。プールで感染することが多かったため、「プール熱」とも呼ばれていましたが、近年では様々な場所での感染が報告されています。

原因

咽頭結膜熱の原因は、アデノウイルスです。このウイルスは、感染した人の咳やくしゃみの飛沫を吸い込むこと(飛沫感染)、または、ウイルスが付着した手で目や鼻を触ること(接触感染)によって感染します。プールや温泉など、不特定多数の人が利用する場所での感染も報告されています。

症状

主な症状は、以下の通りです。

  • 発熱: 高熱(38℃~39℃)が数日間続きます。
  • 咽頭痛: のどが痛み、飲み込むのが困難になることがあります。
  • 結膜炎: 目が充血し、涙が出る、まぶしいなどの症状が現れます。
  • その他: 頭痛、食欲不振、全身のだるさなど。

これらの症状は、通常3~7日程度続きます。

治療法

咽頭結膜熱は、ウイルス感染症のため、特効薬はありません。そのため、対症療法が中心となります。

  • 解熱鎮痛剤: 発熱や頭痛に対して、解熱鎮痛剤が処方されることがあります。
  • 点眼薬: 結膜炎に対して、点眼薬が処方されることがあります。
  • 安静: 十分な休養をとることが大切です。
  • 水分補給: 熱で体内の水分が失われるため、こまめな水分補給が必要です。

予防

咽頭結膜熱の予防には、以下のことが大切です。

  • 手洗いの徹底: こまめな手洗いは、感染予防の基本です。特に、外出後や食事の前には、石鹸を使ってしっかりと手を洗いましょう。
  • 咳エチケット: 咳やくしゃみをするときは、口や鼻をティッシュや袖で覆い、周囲への飛沫感染を防ぎましょう。
  • プールや温泉での注意: プールや温泉を利用する際は、清潔な水着を着用し、こまめにシャワーを浴びるようにしましょう。
  • タオルの共有を避ける: 家族間でも、タオルの共有は避けましょう。

Q&A

Q. プール熱と咽頭結膜熱は同じですか?

A. 以前は、プールで感染することが多かったため、咽頭結膜熱を「プール熱」と呼ぶことがありました。しかし、現在は様々な場所で感染するため、咽頭結膜熱という呼び方が一般的です。

Q. 咽頭結膜熱は大人にも感染しますか?

A. 小児に多い病気ですが、大人も感染することがあります。特に、免疫力が低下している人や、小児と接触する機会が多い人は、感染しやすいと言われています。

Q. 咽頭結膜熱はどのくらいの期間で治りますか?

A. 通常は、3~7日程度で症状が改善します。しかし、個人差があり、症状が長引く場合もあります。

Q. 咽頭結膜熱は重症化することがありますか?

A. 通常は軽症で済みますが、まれに中耳炎や肺炎などの合併症を起こすことがあります。基礎疾患を持っている人や免疫力が低下している人は、重症化しやすいので注意が必要です。

Q. 咽頭結膜熱の予防接種はありますか?

A. 現在、咽頭結膜熱に対する特効的なワクチンはありません。

Q. 学校や保育園で流行した場合、どうすればよいですか?

A. 学校や保育園で流行している場合は、保健所の指示に従い、登園・登校を控え、自宅で安静にすることが大切です。

まとめ

咽頭結膜熱は、夏場に流行する感染症ですが、適切な予防策をとることで、感染を防ぐことができます。もし、咽頭結膜熱の症状が出たら、早めに医療機関を受診しましょう。