重症熱性血小板減少症候群

概要

重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)は、SFTSウイルスに感染することで起こる感染症です。主にマダニに刺されることで感染し、発熱や消化器症状などを伴います。重症化すると死亡することもあり、注意が必要です。

原因

  • SFTSウイルス: SFTSを引き起こすウイルスです。
  • 感染経路: 主にマダニ(フタトゲチマダニなど)に刺されることで感染します。また、感染者の血液や体液との接触によっても感染する可能性があります。

症状

  • 発熱: 高熱が続くことが多いです。
  • 消化器症状: 食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などがみられます。
  • その他: 頭痛、筋肉痛、倦怠感、出血症状(鼻血、歯肉出血、皮下出血など)が見られることもあります。

治療法

  • 特効薬なし: 現在、SFTSに対して効果的な特効薬はありません。
  • 対症療法: 高熱、痛み、脱水症状などに対して、対症療法が行われます。
  • 支持療法: 呼吸器管理、輸血など、患者さんの状態に合わせて適切な治療が行われます。

予防

  • マダニ対策:
    • マダニがいる場所への立ち入りを避ける
    • 長そで長ズボンを着用し、肌の露出を少なくする
    • 虫除け剤を使用する
    • 屋外活動後は、全身をくまなくチェックし、マダニを見つけたらピンセットで取り除く
  • 動物との接触: 野生動物やペットとの接触時には、手袋を着用するなど、注意が必要です。
  • 感染者の血液や体液との接触: 感染者の血液や体液に触れる際には、手袋やマスクを着用するなど、感染予防策を徹底する必要があります。

Q&A

Q1. SFTSはどのくらい危険な病気ですか?

A1. SFTSは重症化すると死亡する可能性のある病気です。特に高齢者や基礎疾患のある方は、重症化しやすい傾向があります。

Q2. SFTSは人から人へ感染しますか?

A2. 感染者の血液や体液との接触によって、人から人への感染が報告されていますが、マダニを介した感染が主な感染経路と考えられています。

Q3. SFTSの予防接種はありますか?

A3. 現在、SFTSの予防接種はありません。

Q4. マダニに刺されたら必ずSFTSになりますか?

A4. マダニに刺されても、必ずSFTSになるわけではありません。しかし、マダニに刺された場合は、体調の変化に注意し、発熱などの症状が出た場合は、医療機関を受診しましょう。

Q5. SFTSはどの地域で多く発生していますか?

A5. SFTSは、日本だけでなく、中国、韓国などでも発生が報告されています。日本では、特にマダニが生息する山林地帯での感染が多い傾向があります。

まとめ

SFTSは、マダニを介して感染する重篤な感染症です。予防策をしっかり行い、マダニに刺されないようにすることが大切です。もし、発熱や消化器症状などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。