尿比重、尿浸透圧

尿比重と尿浸透圧は、腎臓の機能を評価するために重要な検査項目です。これらの検査によって、尿の濃縮能力や希釈能力、腎臓の機能異常などを知ることができます。

検査でわかること

  • 尿比重: 尿中に含まれる物質の密度を測定し、尿の濃縮度合いを示します。
  • 尿浸透圧: 尿中に含まれる溶質粒子の濃度を測定し、尿の濃縮能力を示します。

これらの検査結果を総合的に評価することで、腎臓の濃縮・希釈能力や、体内の水分バランスを知ることができます。

基準値

  • 尿比重: 1.005~1.030
  • 尿浸透圧: 500~1200mOsm/kg

これらの基準値はあくまで目安であり、年齢や性別、検査方法などによって異なる場合があります。

基準値より高い場合に疑われる病気

尿比重や尿浸透圧が基準値よりも高い場合は、以下のような病気が疑われます。

  • 脱水症: 体内の水分が不足することで、尿が濃縮されます。
  • 糖尿病: 高血糖により尿中に糖が排泄され、尿浸透圧が上昇します。
  • 腎臓病: 腎臓の濃縮能力が低下することで、尿が濃縮されます。
  • 心不全: 腎臓への血流が低下することで、尿が濃縮されます。
  • SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群): 抗利尿ホルモンが過剰に分泌されることで、体内の水分貯留と尿濃縮が起こります。

治療法

治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 脱水症: 水分補給を行います。
  • 糖尿病: 食事療法、運動療法、薬物療法などを行います。
  • 腎臓病: 原因となる病気に対する治療や、食事療法、薬物療法などを行います。
  • 心不全: 原因となる病気に対する治療や、薬物療法、生活習慣の改善などを行います。
  • SIADH: 原因となる病気に対する治療や、水分制限、薬物療法などを行います。

尿比重や尿浸透圧の異常が見られた場合は、医師の診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。

その他

尿比重と尿浸透圧は、単独で評価するのではなく、他の検査結果や症状と合わせて総合的に評価することが重要です。また、これらの検査は、腎臓の機能を評価するためのものであり、腎臓病の診断を確定するものではありません。