LDLコレステロール検査

LDLコレステロール検査でわかること

LDLコレステロール検査は、血液中のLDL(低比重リポタンパク質)に含まれるコレステロールの量を測定する検査です。LDLコレステロールは、一般的に「悪玉コレステロール」と呼ばれ、動脈硬化の進行に深く関わっています。

この検査では、以下のことがわかります。

  • LDLコレステロール値: 血液中のLDLコレステロールの具体的な数値を知ることができます。
  • 動脈硬化のリスク: LDLコレステロール値が高いほど、動脈硬化が進行しやすく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
  • 脂質異常症の診断: LDLコレステロール値が基準値を超えている場合、脂質異常症(高LDLコレステロール血症)と診断されることがあります。
  • 治療効果の判定: 脂質異常症の治療を行っている場合、治療の効果を判定するために定期的に検査を行います。

LDLコレステロールの基準値

LDLコレステロールの基準値は、以下の通りです。

  • 140mg/dL未満

ただし、他の危険因子(高血圧、糖尿病、喫煙など)がある場合は、目標値がさらに低く設定されることがあります。

基準値より高い場合に疑われる病気

LDLコレステロール値が基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。

  • 脂質異常症(高LDLコレステロール血症): LDLコレステロールが過剰に増加した状態です。
  • 家族性高コレステロール血症: 遺伝的な要因により、LDLコレステロールが異常に高くなる病気です。
  • 甲状腺機能低下症: 甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、LDLコレステロール値が上昇することがあります。
  • 腎臓病: ネフローゼ症候群などの腎臓病では、LDLコレステロール値が高くなることがあります。
  • 閉塞性黄疸: 胆汁の流れが滞ることで、LDLコレステロール値が上昇することがあります。

治療法

LDLコレステロール値が高い場合の治療法は、以下の通りです。

  • 生活習慣の改善: 食事療法、運動療法、禁煙などが基本となります。
    • 食事療法:飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控え、食物繊維や不飽和脂肪酸を積極的に摂取します。
    • 運動療法:有酸素運動を中心に、適度な運動を継続します。
  • 薬物療法: 生活習慣の改善だけではLDLコレステロール値が下がらない場合、薬物療法が行われます。
    • スタチン:LDLコレステロールを低下させる代表的な薬です。
    • エゼチミブ:小腸からのコレステロール吸収を抑制する薬です。
    • PCSK9阻害薬:強力にLDLコレステロールを低下させる注射薬です。

治療法は、患者さんの状態や他の危険因子などを考慮して、医師が個別に判断します。

LDLコレステロール値は、定期的な検査でチェックし、適切な治療を受けることが大切です。