2002年、アメリカ腎臓財団から慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の概念と病期分類が発表されました。
血清クレアチニンの値から推算糸球体濾過量を求めることで簡単に腎臓の機能(はたらき)を評価できるようになりました。
現在、世界各国でCKD対策が積極的におこなわれています。
慢性腎臓病とは?
CKDとは、糸球体濾過量(GFR)であらわされる腎機能の低下があるか、もしくは腎臓の障害を示唆する所見が慢性的に持続するものすべてを含んでいます。
腎臓障害を示す所見として、
- たんぱく尿や血尿などの尿所見異常
- 片腎や多発性嚢胞腎、腎結石などの画像所見異常
- 腎機能障害などを示す血液検査異常
- 異常病理所見
があげられます。
CKDの病期分類
CKDの病期分類には、腎機能の評価指標である推算GFRが用いられます。
腎移植患者さんである場合はTをステージ5で透析を受けている場合はDをつけることで、病期をより明確にあらわすようにしています。
CDKの病期分類
病期 | 重症度の説明 | 進行度による分類 |
1 | 腎障害は存在するがGFRは正常または亢進 | 90以上 |
2 | 腎障害が存在しGFR軽度低下 | 60〜89 |
3 | GFR中等度低下 | 30〜59 |
4 | GFR高度低下 | 15〜29 |
5 | 腎不全 | 15未満 |
CKDの重要性
CKDから末期腎不全による透析療法への進行が増加
日本は世界で最も透析患者密度(人口当りの透析患者数)の高い国であり、毎年、透析患者数は増加の一途を辿っています。
特に糖尿病性腎症から透析療法へ進行する患者さんが急増しています。
CKDは心血管疾患(CVD)の危険因子
CVD(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)の発症に、腎機能低下が関わっているとされています。
つまり、腎機能が悪ければ悪いほど、その発症リスクが上昇すると言われています。