腎臓のはたらきの保持につとめる
自己管理につとめる
腎臓病の進行を防ぐためには薬物療法や食事療法はとても重要です。
しかし、普段の生活の状況が腎臓病には大きく影響することがあります。
従って、薬物療法などがたとえうまくいったとしても、生活の仕方によっては腎臓病を良くも悪くもしてしまう可能性が高いのです。
日本腎臓学会では「腎疾患の患者生活指導・食事指標に関するガイドライン」を作成し、腎臓病の種類や程度に合わせた生活指導区分を定めています。
標準体重の維持
体重は標準体重を目標とします。肥満があると血圧は上昇します。
たとえば、肥満の場合の高血圧の頻度は、非肥満の2〜3倍になります。
肥満は尿タンパク量の増加にも関係し、甘いものや脂肪の摂り過ぎによる過剰なカロリー摂取は血糖値をあげ、またコレステロールや中性脂肪を上昇させます。
活動度は基礎体力から
新たに運動を始める場合は、まずは軽いものから、毎日少しずつが基本です。
体操のようなものからはじめ、身体が慣れるにつれて次第に運動量をあげていきます。
1回の強さは最大運動量の40%程度で20分間、続けるときは15分間以上の休憩をはさみましょう。
日常の生活改善につとめる
酒、タバコの制限は大切
肝臓病などのアルコールが禁忌となる病気を合併している場合や医師の許しが得られないときはアルコールをやめましょう。
アルコールは摂り過ぎると血圧があがります。
また、アルコールで食欲が増してしまい、タンパクや食塩の摂取量が過剰になる可能性もあります。
アルコール摂取の目安は1日ビール1杯程度、日本酒なら1合弱ほどが理想です。
また、透析治療を受けている患者さんはアルコールは水分量として換算する必要があります。
一方、タバコにはニコチンに血管を収縮する作用があるので、腎臓の血液を悪くするおそれがあります。
動脈硬化が進行し、心臓病や肺の病気を引き起こす可能性も高まります。