1) 急増する腎臓病と発症原因

糖尿病性腎症の原因

糖尿病によって腎臓病が引き起こされる場合、高血糖値が関係しています。

糖尿病によって高血糖の状態が続くと腎臓の中にあるメサンギウム基質が肥大し、糸球体の毛細血管が圧迫されることで血流が悪くなり血液ろ過機能の低下を招きます。

さらに、毛細血管の壁ある血液をろ過するフィルターの目が粗くなり、タンパク質が大量に漏れてタンパク尿が出るようになるのです。

痛風腎の原因

痛風腎の原因は、痛風や高尿酸血症の人に起こる腎臓病です。痛風腎の根本的な原因は血液中に増えすぎた尿酸です。

尿酸とは体内でできている老廃物で、通常は血液中に混じっており、最終的には尿や便として排泄されます。

しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなると、血液中に増えてしまいます。

それが結晶化して手足などの関節や耳たぶに沈着するほか腎臓にもたまってしまうのです。

急性腎不全の原因

急性腎不全は下記の表の原因で引き起こされます。

原因具体的な症状と原因
腎臓への血流量の現象(腎前性)
  • 心筋梗塞、心筋炎など
  • 食事摂取量の現象、嘔吐、下痢、大量発汗など
  • 肝不全、極度の低血圧など
尿の流れの阻害(腎後性)
  • 前立腺肥大、腫瘍、結石など
腎実質の障害(腎性)
  • 非ステロイド系消炎鎮痛薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬
  • 糸球体病変
  • 急性間質性腎炎
  • 狭義の急性腎不全

腎機能が損なわれるために老廃物を排泄することができず、血液は高窒素状態になります。

腎前性急性腎不全は、全身の血液の流れが変化して、腎臓に流れ込む血液量が減少したことによって起こります。

いわば、腎臓が虚血の状態になったことが原因です。

慢性腎不全の原因

慢性腎不全のほとんどは腎臓病が原因です。

近年では糖尿病の患者さんが増えた影響か、糖尿病性腎症から慢性腎不全に移行するケースが増えています。

前立腺癌の原因

前立腺癌は最近、増加傾向にある癌です。

この癌の好発年齢は60歳代で年齢とともに確率が高くなっていくことも分かっているので、高齢化社会になったことが一因としてあげられます。

もうひとつ無視できないのが食生活が欧米化したことです。

欧米では前立腺癌の罹患率が高く、さらに欧米に住む日系人の罹患率も高いことから、生活習慣や食習慣が、その発生に関与していると考えられています。

次の記事は『腎臓病の兆候』

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