前立腺は、男性の膀胱の出口を取り巻くようにしてあります。前立腺では、前立腺液がつくられています。前立腺液は精液の2割を占める外分泌益で、精子の活動や生存を助けています。
前立腺炎とは?
前立腺炎は、前立腺が細菌に感染して炎症を起こしたものです。
大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌、淋菌などが原因菌となります。
前立腺炎には急性と慢性があります。
急性前立腺炎
多くは膀胱炎などの尿路感染症が前立腺に広がって起こります。発熱や排尿時の痛みが起こり、尿道から膿が出ることもあります。
治療法は抗菌薬を投与します。急性の前立腺炎は10日ほどで完治するのがふつうです。
慢性前立腺炎
慢性前立腺炎は40〜50歳の男性に頻発する病気です。
急性のものから移行するケースは稀で、最初から慢性の経過をあらわします。
陰部の不快感、鼠径部の鈍痛などの症状が続き、治療してもあまりよくなりません。
尿道から突然出血することもあります。
慢性前立腺炎は尿検査をしても異常がなく、原因になる菌が発見されないことがほとんどです。
不快感を述べてもノイローゼや心身症と勘違いされることも多く、患者さんは憂鬱な毎日を送ることになります。
また、一度症状がおさまっても再発することがほとんどです。
治療法が確立されているわけではありません。
原因菌も発見されないので抗菌薬を服用することもありません。
一般に局所を刺激することはよくありません。
また、アルコールの飲み過ぎや、便秘などもよくないようです。
寒さに気をつけて冷えないようにすることも大切です。
悪性の病気ではありませんから、規則正しい生活を送って、疲れないようにし、少しでも不快感を遠ざける工夫をしてください。
慢性前立腺炎は70歳以上の人で発症することは少ないとされています。
前立腺肥大症とは?
前立腺は男性ホルモンの影響下にあって、ふつうは50歳くらいで成長をやめます。
しかし、何らかのきっかけでもう一度大きくなっていくことがあり、これが「前立腺肥大症」です。
前立腺肥大症では、前立腺の内腺に異常が起こります。
前立腺ガンが外膜に起きてくるのと対照的です。
肥大した前立腺は尿道を圧迫して、排尿困難を引き起こします。
そのほかに頻尿や特に夜間に度々トイレに起きる夜間頻尿もみられます。