大腸憩室症

大腸憩室症について

大腸憩室症とは?

大腸憩室症とは、大腸の壁の一部が袋状に膨らんでしまう病気です。この袋状の膨らみを「憩室」と呼びます。憩室は、大腸の壁が弱い部分に、腸内の圧力がかかり続けることで形成されると考えられています。

大腸憩室症の原因

大腸憩室症の詳しい原因は解明されていませんが、以下の要因が考えられています。

  • 加齢: 年齢とともに大腸の壁が弱くなることが原因の一つと考えられています。
  • 食生活: 食物繊維が不足した食生活は、便秘を引き起こし、腸内圧を高めるため、憩室形成のリスクを高める可能性があります。
  • 遺伝的要因: 家族に大腸憩室症の人がいる場合、発症リスクが高まる可能性があります。

大腸憩室症の症状

多くの場合、大腸憩室があっても自覚症状はありません。しかし、憩室に便やガスが詰まって炎症を起こす「大腸憩室炎」になると、以下の症状が現れることがあります。

  • 腹痛: 左下腹部の痛み
  • 発熱: 低熱から高熱まで
  • 便秘または下痢: 腸の動きが悪くなり、便秘になることが多いですが、下痢になることもあります。
  • 吐き気、嘔吐
  • 腹部膨満感

大腸憩室症の診断

大腸憩室症の診断は、以下の検査によって行われます。

  • 問診: 症状や家族歴などについて詳しく聞かれます。
  • 身体診察: 腹部の触診などを行います。
  • 血液検査: 炎症反応や貧血などを調べます。
  • 大腸内視鏡検査: 大腸内にカメラを入れて、憩室の有無や大きさ、炎症の有無などを確認します。
  • CT検査: 大腸だけでなく、周囲の臓器の状態も詳しく調べます。

大腸憩室症の治療

大腸憩室症の治療法は、症状によって異なります。

  • 無症状の場合: 特に治療は必要ありませんが、定期的な検査で経過観察を行います。
  • 大腸憩室炎の場合:
    • 軽症の場合: 絶食、輸液、抗生物質治療などを行います。
    • 重症の場合: 入院して、点滴や高カロリー輸液、抗生物質治療を行います。場合によっては、手術が必要になることもあります。

大腸憩室症の予防

大腸憩室症の予防には、以下のことが大切です。

  • バランスの取れた食事: 食物繊維を多く含む野菜や果物を積極的に摂り、便秘を防ぎましょう。
  • 規則正しい生活: 十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにしましょう。
  • 適度な運動: 運動不足は便秘の原因となるため、適度な運動を行いましょう。
  • 禁煙: 喫煙は、様々な病気のリスクを高めるため、禁煙しましょう。
  • 定期的な健康診断: 定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につながります。

大腸憩室症に関する注意点

  • 大腸憩室症は、一度できてしまうと完全に治ることはありません。
  • 大腸憩室炎を繰り返すと、合併症を起こす可能性があります。
  • 大腸憩室炎の症状が出たら、早めに医師に相談しましょう。

まとめ

大腸憩室症は、高齢者を中心に多くみられる病気です。自覚症状がないことも多く、大腸憩室炎になって初めて気づく場合もあります。バランスの取れた食事や規則正しい生活を送ることで、大腸憩室症のリスクを減らすことができます。