女性化乳房症

女性化乳房症とは?

女性化乳房症とは、男性の乳房が女性のように発達してしまう状態を指します。男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れることで、乳腺組織が発達し、乳房が大きくなる病気です。思春期や中年期以降に多くみられます。

女性化乳房症の原因

女性化乳房症の原因は様々ですが、主なものとしては以下のものが挙げられます。

  • ホルモンバランスの乱れ: 男性ホルモンであるテストステロンが減少したり、女性ホルモンであるエストロゲンが増加したりすることで、ホルモンバランスが崩れ、乳腺が発達することがあります。
  • 薬物の副作用: ある種の薬物(高血圧治療薬、精神安定剤、ステロイド剤など)が原因となることがあります。
  • 肝機能障害: 肝臓はホルモンの代謝に関わっているため、肝機能が低下するとホルモンバランスが崩れることがあります。
  • 腫瘍: 下垂体腫瘍や精巣腫瘍など、ホルモン分泌に影響を与える腫瘍が原因となることがあります。
  • 肥満: 肥満は女性ホルモン様物質の増加を引き起こし、女性化乳房症を悪化させることがあります。
  • 遺伝的な要因: 稀に、遺伝的な要因が関与する場合もあります。

女性化乳房症の症状

  • 乳房の腫れ: 片方または両方の乳房が腫れ、女性のような形になります。
  • 痛み: 腫れた乳房に痛みや圧痛を感じることがあります。
  • 乳頭の変化: 乳頭が大きくなったり、乳頭から分泌物が出ることもあります。

女性化乳房症の診断

医師は、患者さんの病歴や症状、身体検査、血液検査などをもとに診断を行います。

  • 血液検査: ホルモンバランス、肝機能、腫瘍マーカーなどを調べます。
  • 超音波検査: 乳房の内部を詳しく調べ、腫瘍の有無などを確認します。
  • MRI検査: より詳細な画像を得るために、MRI検査を行うこともあります。

女性化乳房症の治療

女性化乳房症の治療法は、原因や症状、患者さんの年齢や希望によって異なります。

  • 薬物療法: ホルモンバランスを整える薬や、エストロゲン受容体を阻害する薬などが使用されます。
  • 生活習慣の改善: 肥満が原因の場合は、ダイエットや運動療法が推奨されます。
  • 手術: 薬物療法や生活習慣の改善で効果が得られない場合、または美容的な理由から手術が行われることがあります。手術の種類としては、乳腺組織を摘出する手術や、過剰な脂肪を吸引する手術などがあります。

女性化乳房症の予防

女性化乳房症の予防は、特定の薬剤の服用を避ける、肥満に注意する、定期的な健康診断を受けるなど、原因となる要因を避けることが大切です。

まとめ

女性化乳房症は、男性のホルモンバランスの乱れによって起こる病気です。症状は、乳房の腫れや痛みなど様々です。治療法は、原因や症状によって異なり、薬物療法、生活習慣の改善、手術などが行われます。早期発見・早期治療が大切ですので、気になる症状がある場合は、早めに医師にご相談ください。

【注意事項】

  • この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。
  • 自己判断で治療を行ったり、薬を服用したりすることは危険です。