脊椎圧迫骨折とは?
脊椎圧迫骨折とは、背骨の一部である椎体が、強い力によって押しつぶされて骨折する状態を指します。特に、骨がもろくなっている高齢者に多く見られます。
脊椎圧迫骨折の原因
- 骨粗しょう症: 加齢やホルモンバランスの変化によって骨密度が低下し、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。
- 外傷: 高所からの転落、交通事故など、強い外力が加わることが原因となります。
- 病的な原因: 骨転移、骨腫瘍など、病気が原因で骨が弱くなっている場合にも起こります。
脊椎圧迫骨折の症状
- 痛み: 患部に激しい痛みを感じることが多く、咳やくしゃみ、体勢の変化などで痛みが悪化することがあります。
- 神経症状: 脊髄や神経根が圧迫されることで、しびれ、感覚麻痺、運動麻痺などの神経症状が現れることがあります。
- 変形: 椎体がつぶれることで、背骨が曲がったり、身長が低くなることがあります。
脊椎圧迫骨折の診断
- X線検査: 骨折の有無や程度を評価する最も一般的な検査です。
- CT検査: 骨折の状態をより詳細に観察することができます。
- MRI検査: 脊髄や神経根の圧迫の有無を評価することができます。
脊椎圧迫骨折の治療法
治療法は、骨折の程度、患者さんの年齢や状態、合併症の有無などによって異なります。
- 保存療法:
- 安静: 寝返りや体位変換を制限し、患部を安静にする。
- コルセット: 体幹を固定し、痛みを軽減する。
- 薬物療法: 痛み止め、筋肉弛緩剤などを用いて痛みをコントロールする。
- 手術療法:
- 経皮的椎体形成術(PVP): 特殊な器具を用いて、骨折した椎体に骨セメントを注入し、強度を回復させる。
- 椎体後弯固定術: 骨折が不安定な場合や、神経症状が強い場合に、ボルトやプレートを用いて脊椎を固定する。
脊椎圧迫骨折の予防
- 骨粗しょう症の予防:
- カルシウムとビタミンDの摂取: 乳製品、小魚、緑黄色野菜などを積極的に摂取する。
- 適度な運動: ウォーキングや軽い運動は骨を強くするのに役立ちます。
- 日光浴: ビタミンDの合成を促すため、日光を浴びることが大切です。
- 禁煙: 喫煙は骨密度を低下させるため、禁煙することが重要です。
- 転倒予防:
- 滑りやすい場所での注意: 室内ではスリッパを避け、靴底が滑りにくいものを履く。
- 照明を明るくする: 足元が暗いと転倒しやすくなるため、十分な照明を確保する。
- 手すりを設置する: トイレや浴室など、転倒しやすい場所に手すりを設置する。
- 定期的な健康診断: 骨密度検査など、定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療に繋がります。
まとめ
脊椎圧迫骨折は、特に高齢者にとって重篤な疾患です。骨粗しょう症の予防や、転倒予防を心がけることが大切です。症状が出た場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
【ご留意事項】
- この情報は一般的な情報であり、個々の患者さんの状態に合わせて治療法は異なります。
- 症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。