骨髄炎

骨髄炎とは?

骨髄炎とは、骨の内部にある骨髄に細菌や真菌などの病原体が感染し、炎症を起こす病気です。骨の感染症の中でも代表的なものの一つで、痛みや腫れ、発熱などを伴います。

骨髄炎の原因

骨髄炎の原因は、大きく分けて以下の2つが考えられます。

  • 血行性感染: 他の部位の感染巣から細菌が血液に乗って骨に運ばれ、感染を起こすケースです。肺炎や尿路感染症などが原因となることがあります。
  • 直接感染: 外傷や手術によって骨が露出したり、感染した軟部組織から感染が広がったりして、直接細菌が骨に侵入するケースです。開放骨折や人工関節の感染などが代表的です。

骨髄炎の症状

骨髄炎の症状は、感染の部位や原因、感染の程度によって異なりますが、一般的に以下の症状が見られます。

  • 痛み: 感染部位の骨に激しい痛みを感じます。
  • 腫れ: 感染部位が腫脹します。
  • 発熱: 高熱を伴うことがあります。
  • 発赤: 感染部位が赤くなることがあります。
  • 機能障害: 感染部位の関節が動かなくなるなど、機能障害が起こることがあります。
  • 全身症状: 食欲不振、倦怠感、体重減少など、全身症状が現れることもあります。

骨髄炎の診断

骨髄炎の診断は、問診、身体検査、画像検査、血液検査などを総合的に行うことで確定されます。

  • 問診: いつから症状が出始めたか、どのような症状があるかなどを詳しく聞かれます。
  • 身体検査: 感染部位を触診し、腫れや熱感、圧痛などを調べます。
  • 画像検査: X線、CT、MRIなどの画像検査で、骨の破壊や軟部組織の炎症などを確認します。
  • 血液検査: 炎症反応や感染の有無を調べます。
  • 骨穿刺: 感染部位から骨髄液を採取し、細菌培養を行い、原因菌を特定します。

骨髄炎の治療

骨髄炎の治療は、感染の原因菌の種類や感染の程度、患者の状態などによって異なりますが、一般的には以下の治療が行われます。

  • 抗生物質療法: 感染の原因菌に対して効果的な抗生物質を長期間投与します。
  • 手術療法: 膿瘍の切開排膿、死骨の除去、人工関節の交換など、外科的な治療が必要となる場合があります。
  • 高圧酸素療法: 重症の場合や難治性の場合は、高圧酸素療法が併用されることがあります。

骨髄炎の予防

骨髄炎の予防には、以下の点に注意することが重要です。

  • 外傷の適切な処置: 外傷を負った場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
  • 手術時の感染予防: 手術を受ける場合は、医療機関の感染対策に協力し、術後の感染予防に努めましょう。
  • 基礎疾患の管理: 糖尿病や免疫不全症などの基礎疾患がある場合は、適切な管理を行い、感染のリスクを減らしましょう。
  • 口腔衛生: 歯周病などの口腔内の感染は、骨髄炎の原因となることがあります。定期的に歯科検診を受け、口腔衛生に気をつけましょう。

骨髄炎の合併症

骨髄炎は、治療が遅れると、以下の合併症を引き起こす可能性があります。

  • 関節の破壊: 関節が破壊され、関節の動きが制限されることがあります。
  • 骨の破壊: 骨が破壊され、変形や骨折を起こすことがあります。
  • 敗血症: 全身性の感染症となり、生命の危険が伴うことがあります。

まとめ

骨髄炎は、早期に診断・治療を開始することが重要です。痛みや腫れなどの症状を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

【注意点】 この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。