乳児湿疹とは?
乳児湿疹とは、生後2週間頃から1歳頃までの赤ちゃんによく見られる、皮膚が赤くなる、カサカサする、ブツブツができるなどの症状を総称したものです。赤ちゃんは大人に比べて皮膚が薄く、バリア機能が未熟なため、様々な刺激を受けやすく、湿疹ができやすい状態にあります。
乳児湿疹の原因
乳児湿疹の具体的な原因は、まだはっきりと解明されていませんが、以下の要因が考えられています。
- 乾燥: 赤ちゃんの皮膚は大人に比べて水分が少なく乾燥しやすいため、外部からの刺激を受けやすく、湿疹を引き起こすことがあります。
- アレルギー: 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が原因となる場合もあります。
- 汗: 汗をかきすぎると、皮膚が刺激され、湿疹ができることがあります。
- 摩擦: 服との摩擦や、おむつとの摩擦が原因となる場合もあります。
- 細菌や真菌の感染: Staphylococcus aureus(ブドウ球菌)などの細菌や、Candida albicans(カンジダ菌)などの真菌が感染することで、湿疹が悪化することがあります。
乳児湿疹の症状
乳児湿疹の症状は、赤ちゃんの肌の状態や原因によって異なります。
- 顔: ほっぺ、おでこ、あごなどに赤いプツプツやカサカサが現れる。
- 頭皮: 黄色いかさぶたができる(乳児脂漏性湿疹)。
- 身体: 首、腕、足などにも赤いプツプツやカサカサが現れる。
- おむつの中: おむつが当たるところに赤い発疹ができる。
乳児湿疹の治療法
乳児湿疹の治療法は、症状の程度や原因によって異なります。
- 保湿: 肌を乾燥から守り、バリア機能を回復させるために、保湿剤をこまめに塗ることが大切です。
- 清潔な状態を保つ: 汗をかいたらこまめに拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。
- 刺激となるものを避ける: ウール製品や化学繊維の衣服は避け、綿素材の柔らかな衣服を選びましょう。
- ステロイド外用薬: 症状がひどい場合は、医師からステロイド外用薬を処方されることがあります。
- 抗ヒスタミン剤: かゆみを伴う場合は、抗ヒスタミン剤が処方されることがあります。
- 抗生物質: 細菌感染が原因の場合は、抗生物質が処方されることがあります。
乳児湿疹の予防
乳児湿疹を予防するためには、以下の点に注意しましょう。
- 保湿: 生まれた直後から、保湿剤を塗って乾燥を防ぎましょう。
- 清潔な状態を保つ: おむつはこまめに交換し、清潔な状態を保ちましょう。
- 温度・湿度の管理: 部屋の温度や湿度を適切に保ちましょう。
- 刺激となるものを避ける: 刺激の強い石鹸や入浴剤の使用は避けましょう。
- 母乳育児: 母乳には、赤ちゃんのアレルギーを防ぐ効果があると言われています。
- アレルギーの原因となる食品への注意: アレルギーが原因の場合は、アレルギーの原因となる食品を避ける必要があります。
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は、症状が似ているため、区別が難しいことがあります。しかし、アトピー性皮膚炎は遺伝的な要素が強く、長期間にわたって繰り返す傾向があります。乳児湿疹は、適切なケアを行うことで、多くの場合、1歳頃までに自然に治癒します。
いつ病院を受診すべき?
- 赤みが広がったり、湿疹が悪化する場合は、早めに小児科を受診しましょう。
- 赤ちゃんの肌が破れてしまい、黄色い膿が出たり、熱が出たりする場合は、すぐに小児科を受診しましょう。
- 自宅でのケアで症状が改善しない場合は、小児科を受診しましょう。
まとめ
乳児湿疹は、赤ちゃんによく見られる皮膚のトラブルですが、適切なケアを行うことで、多くの場合、自然に治癒します。しかし、症状がひどい場合や、自宅でのケアで改善しない場合は、早めに小児科を受診しましょう。