精巣上体炎とは?
精巣上体炎とは、精巣の後ろにある精巣上体という部分に炎症が起こる病気です。この部位は、精子が成熟する場所であり、細菌感染によって炎症を起こすと、痛みや腫れなどの症状が現れます。
原因
精巣上体炎の原因は、主に以下のものが挙げられます。
- 細菌感染: 尿道から細菌が上行し、精巣上体に感染することが一般的です。
- 性感染症: 淋菌やクラミジアなどの性感染症が原因となることがあります。
- 尿路感染症: 大腸菌などの細菌が尿道から侵入し、感染することがあります。
- 前立腺炎: 前立腺の炎症が、精巣上体に波及することがあります。
- 外傷: 陰嚢への外傷が原因となることもあります。
- 自己免疫疾患: 免疫系の異常が原因となるケースも考えられます。
症状
- 陰嚢の痛み: 腫れた部分に触れると特に痛みが強くなります。
- 陰嚢の腫れ: 患側が赤く腫れ上がります。
- 発熱: 高熱を伴うこともあります。
- 悪寒: 寒気を感じることもあります。
- 排尿痛: 尿道が炎症を起こしている場合は、排尿時に痛みを感じることがあります。
診断
医師は、患者の症状や病歴を聞き、陰嚢を触診します。また、以下の検査を行うことがあります。
- 尿検査: 尿中に細菌がいるか、炎症の有無を調べます。
- 血液検査: 炎症反応を調べます。
- 超音波検査: 陰嚢内の腫れや液体の貯留などを調べます。
治療法
精巣上体炎の治療は、原因菌に対する抗生物質の投与が中心となります。
- 抗生物質: 原因菌の種類によって、適切な抗生物質が選択されます。
- 鎮痛剤: 痛みを軽減するために、鎮痛剤が処方されることがあります。
- 冷罨法: 腫れや痛みを軽減するために、患部に冷湿布を当てたり、氷嚢で冷やしたりします。
- 安静: 患部を安静にするために、安静を保つことが大切です。
予防
- 性感染症予防: コンドームの正しい使用など、性感染症予防に努めましょう。
- 清潔な排泄: 排泄後は必ず手を洗い、清潔を保ちましょう。
- 外傷予防: 陰嚢への外傷に注意しましょう。
Q&A
- Q. 精巣上体炎は治りますか? A. 早期に適切な治療を受ければ、ほとんどの場合完全に治癒します。
- Q. 精巣上体炎の後遺症はありますか? A. 早期に治療すれば後遺症が残ることはほとんどありませんが、まれに不妊の原因になることがあります。
- Q. 精巣上体炎は再発しますか? A. 原因菌が完全に根絶されないと、再発する可能性があります。
- Q. 精巣上体炎と精巣捻転の違いは何ですか? A. 精巣捻転は、精巣がねじれて血流が遮断される病気で、緊急手術が必要な場合があります。精巣上体炎との鑑別が必要です。
- Q. 精巣上体炎はどの科を受診すればよいですか? A. 泌尿器科を受診してください。
まとめ
精巣上体炎は、早期に治療を開始すれば、完治する病気です。痛みや腫れなどの症状を感じたら、早めに泌尿器科を受診しましょう。
【ご留意事項】 この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。