眼窩骨折とは?
眼窩骨折とは、眼球が入っている骨のくぼみである眼窩の骨が、強い衝撃によって骨折する状態を指します。顔面を強く打った際などに起こることが多く、スポーツ中の怪我や交通事故などでも発生します。
眼窩骨折の原因
主な原因としては、以下のものが挙げられます。
- スポーツ中の怪我: 野球ボールやバスケットボールなどが顔面に直撃するなど。
- 交通事故: 車の衝突やバイクの転倒など。
- 転倒: 高所からの転落や、顔から地面にぶつかるなど。
- 暴行: 顔面を殴られるなど。
眼窩骨折の症状
眼窩骨折の症状は、骨折の部位や程度によって異なりますが、一般的には以下の症状が見られます。
- 眼球の陥没: 眼球が奥に引っ込むように見える。
- 複視: 物が二重に見える。
- 眼球運動制限: 目が思うように動かせない。
- 眼瞼の腫れ、出血: まぶたが腫れたり、内出血が生じたりする。
- 眼痛: 眼球に痛みを感じる。
- 鼻出血: 鼻から出血する。
- 頬や上唇の感覚異常: 折れた骨が神経を圧迫することで、感覚が鈍くなる。
眼窩骨折の診断
診断には、以下の検査が行われます。
- 視力検査: 視力低下や複視の有無を確認。
- 眼球運動検査: 眼球の動きを調べ、制限があるかを確認。
- CT検査: 眼窩の骨折の状態を詳細に確認。
- MRI検査: 必要に応じて、軟組織の損傷や神経の圧迫の有無を確認。
眼窩骨折の治療法
治療法は、骨折の程度や合併症の有無によって異なります。
- 保存療法: 軽度の骨折で、症状が軽微な場合は、安静と内服薬による治療を行います。
- 手術療法:
- 骨折部の整復: 折れた骨を元の位置に戻す。
- 眼窩内容物の復位: 眼窩内に飛び出した組織を元の位置に戻す。
- 眼窩容積の回復: 眼窩が陥没している場合は、人工骨などを用いて眼窩容積を回復させる。
眼窩骨折の予防
眼窩骨折は、顔面への強い衝撃によって起こることが多いため、以下のことに注意することで予防できます。
- スポーツをする際は、必ずプロテクターを着用する。
- 交通ルールを守り、安全運転を心がける。
- 自宅内での転倒防止に努める。
眼窩骨折に関するQ&A
Q. 眼窩骨折は放置しても大丈夫ですか?
A. 眼窩骨折は、放置すると複視や眼球運動制限などの後遺症が残る可能性があります。早期に適切な治療を受けることが大切です。
Q. 眼窩骨折の手術は怖いですか?
A. 手術は全身麻酔で行われることが多く、痛みを感じることはありません。術後の痛みも、鎮痛剤でコントロールできます。
Q. 眼窩骨折の回復にはどれくらいの時間がかかりますか?
A. 症状の程度や治療法によって異なりますが、数週間から数ヶ月かかることがあります。
Q. 眼窩骨折の後、スポーツはできますか?
A. 医師の指示に従い、症状が安定してから徐々に運動を再開してください。
Q. 眼窩骨折の後遺症はありますか?
A. 複視、眼球運動制限、眼球陥没などの後遺症が残る可能性があります。
まとめ
眼窩骨折は、早期に適切な治療を受けることで、後遺症を残さずに回復できる可能性が高まります。顔面に強い衝撃を受けた場合は、早めに眼科または整形外科を受診しましょう。