皮膚筋炎(多発性筋炎)の原因と症状

皮膚筋炎とは

皮膚筋炎(ひふきんえん、Dermatomyositis)は、筋肉と皮膚に炎症が起こる自己免疫疾患の一種です。主に中高年の女性に多く見られますが、男性や子供も罹患することがあります。

皮膚筋炎の症状には、筋肉の衰弱、疲れやすさ、運動時の痛み、皮膚の紫斑、皮膚の厚み、かゆみ、乾燥、落屑、紫色のまぶたの炎症などがあります。また、呼吸器や消化器系の症状も現れることがあります。

原因はまだ完全に解明されていませんが、免疫異常が関与していると考えられています。治療には、ステロイドや免疫抑制剤などの薬物療法が使われます。運動療法や理学療法も併用されることがあります。

皮膚筋炎の症状

皮膚筋炎の症状は、以下のようなものがあります。
  1. 筋肉の衰弱や疲れやすさ: 特に上腕部、大腿部、臀部などの大きな筋肉が影響を受け、日常生活動作が難しくなる場合があります。
  2. 運動時の痛み: 筋肉や関節に痛みが発生する場合があります。
  3. 皮膚の紫斑: 顔、首、手の甲、指などに出現する、赤紫色の発疹です。
  4. 皮膚の厚み: 指や足の裏の皮膚が厚くなります。
  5. かゆみ、乾燥、落屑: 手足、顔、首、胸などにかゆみ、乾燥、落屑が出る場合があります。
  6. 紫色のまぶたの炎症: 眼瞼部に赤い発疹が出現し、まぶたが紫色になることがあります。
  7. 嚥下障害: 食べ物を嚥下する際に困難を感じることがあります。
  8. 呼吸器や消化器系の症状: 呼吸困難、肺炎、胃腸炎などの症状が出る場合があります。

これらの症状が出た場合は、皮膚筋炎の可能性があるため、早めに医師の診断を受けることが重要です。

皮膚筋炎の原因

皮膚筋炎の原因はまだ完全に解明されていませんが、以下のような可能性が指摘されています。
  1. 免疫異常: 自己免疫疾患の一種であり、自己の免疫細胞が正常な細胞を攻撃することが原因の一つと考えられています。
  2. 環境要因: 紫外線、ウイルス感染、特定の薬剤の使用など、環境要因が原因となることがあるとされています。
  3. 遺伝的要因: 一部の皮膚筋炎患者には、特定の遺伝子変異があることが報告されています。
  4. 発癌性皮膚筋炎: 皮膚筋炎を合併することで、腫瘍が発生する可能性があるとされています。

これらの原因が複合的に関与して、皮膚筋炎が発症することが考えられていますが、詳しい原因については今後の研究が必要です。

皮膚筋炎の治療法

皮膚筋炎の治療法は、症状の程度や進行度合いによって異なりますが、一般的な治療法としては以下のようなものがあります。
  1. ステロイド薬: 免疫抑制作用のあるステロイド薬が使用されます。皮膚症状が軽度の場合は、外用薬として塗布することがあります。筋肉や内臓などの症状が重度の場合は、内服することがあります。
  2. 免疫抑制薬: 免疫細胞を抑制する薬剤が使用されます。ステロイド薬と併用することで、より効果的な治療が可能となります。
  3. 生物学的製剤: ヒトの免疫細胞に作用する抗体製剤が使用されることがあります。
  4. 症状に応じた治療: 嚥下障害や呼吸器系の症状など、個々の症状に応じた治療が行われます。
  5. 疼痛緩和薬: 筋肉痛や関節痛を緩和するために、疼痛緩和薬が使用されます。

また、生活習慣の改善やリハビリテーションなど、総合的な治療が必要とされます。治療法は個々の症状や進行度合いに応じて異なるため、適切な治療法を専門医に相談することが重要です。