糖尿病が恐ろしい4つの理由
理由その1
インスリンの働きが極端に低下すると糖質をエネルギー源として活用することができなくなるので、かわりに体内に蓄積されている脂肪やたんぱく質を分解して使うようになります。
しかし、脂肪やたんぱく質をエネルギー源にするにもインスリンが必要になり、その作用が低下しているため分解の途中で発生するケトン体という酸性物質が血液中に大量に流れ込みます。
その結果、血液が極端な酸性になってしまい、ケトアシドーシスという状態になり昏睡状態に陥ることもあります。
理由その2
糖尿病が発病してから治療をせず放置していると、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症という3大合併症を発病します。
これらの合併症は糖尿病患者にだけ発病する病気で糖尿病を長期間患っている人にとって重大な問題になります。
理由その3
糖尿病の放置は3大合併症だけではなく、動脈硬化が進み感染症などが発病する傾向が高くなります。
理由その4
糖尿病の薬物療法やインスリン注射で治療している患者が注射の打ち方や薬の服用を間違えると低血糖状態になり、この状態が続くと低血糖昏睡に陥ることがあります。
低血糖昏睡は市に直結しかねない危険な状態です。
エネルギーに必要不可欠なブドウ糖
私たちが日々の生活を活動的に過ごすためにはエネルギーが必要です。このエネルギーを私たちは毎日の食事で得ています。
食物から摂取した糖質は胃や腸で分解されブドウ糖となって血液の中を流れています。
人間には血液中にブドウ糖が増えすぎないように一定の濃度に調節する機能があります。
ちなみに健康な人の血中ブドウ糖濃度は約100mg/dlと言われています。
満腹感を得るまで食事をしても血糖値は160mg/dlを超えることはほとんどありません。
血糖値を一定に保つシステム
糖尿病とは血液中のブドウ糖濃度が慢性的に高い数値になっている状態を言います。
血糖値を一定濃度に保つシステムが機能しなくなる原因として考えられるのがインスリンやグルカゴンというホルモンの影響です。
一般的に糖尿病は、膵臓で分泌されるインスリンの量が減り、血液中のブドウ糖の濃度を低下させる機能が働かなくなることが最大の原因と考えられています。
なぜインスリン不足になるのか?
インスリンに異常が発生する理由は3つあります。
1.インスリンの絶対量が足りなくなる
膵臓のランゲルハンス島にあるベータ細胞がインスリンを分泌する能力を失ってしまう。
2.インスリンの分泌量が少ない
通常は食事をすると食事量に見合ったインスリンが分泌されるが、分泌が遅れたり不足したりする。
3.インスリンの機能がうまく働かない
インスリンが細胞内のブドウ糖濃度を下げるためには、送り込まれた細胞側にインスリン受容体がなければなりません。
インスリンと受容体のバランスが崩れたり、受容体がインスリンを細胞内に運ぶ機能に支障がでると結果的に血糖値が高くなってしまいます。