神経芽腫

神経芽腫とは?

神経芽腫は、小児がんの一種で、神経系の細胞から発生する悪性腫瘍です。特に乳幼児に多くみられます。神経芽腫は、体の様々な部位に発生しますが、最も多いのは副腎という臓器です。副腎は腎臓の上にある小さな臓器で、ホルモンを分泌する働きがあります。

神経芽腫の原因

神経芽腫がなぜ発生するのか、その詳しい原因はまだ解明されていません。遺伝的な要因や環境要因が複雑に絡み合って発生すると考えられています。

  • 遺伝子の異常: 特定の遺伝子の異常が、神経芽腫の発症に関わっていると考えられています。
  • 環境要因: 放射線や化学物質などの環境要因が、神経芽腫の発症に影響を与える可能性も指摘されています。

神経芽腫の症状

神経芽腫の症状は、腫瘍の発生部位や大きさ、そして転移の有無によって大きく異なります。初期の段階では、症状がないことも多く、健康診断などで偶然発見されることもあります。

一般的な症状

  • 腹部腫瘤: お腹にこぶができる
  • 体重減少: 食欲不振や消化不良を伴い、体重が減る
  • 発熱: 原因不明の発熱
  • 骨痛: 骨に転移した場合に起こる
  • 眼瞼下垂: 眼瞼が下がり、目が開きづらくなる
  • 複視: 一つの物が二つに見えたり、物が二重に見えたりする
  • 呼吸困難: 肺に転移した場合に起こる

神経芽腫の診断

神経芽腫の診断には、以下の検査が用いられます。

  • 画像検査: CT検査、MRI検査、超音波検査など
  • 血液検査: 腫瘍マーカー(神経芽腫細胞が産生する物質)の測定
  • 骨髄検査: 骨髄にがん細胞が転移しているかどうかを調べる
  • 生検: 腫瘍の一部を採取して、顕微鏡で詳しく調べる

神経芽腫の治療

神経芽腫の治療法は、腫瘍の大きさ、発生部位、年齢、病期、遺伝子型など、様々な要因を考慮して決定されます。一般的な治療法としては、以下のものが挙げられます。

  • 手術: 腫瘍を切除する
  • 化学療法: 抗がん剤を用いてがん細胞を殺す
  • 放射線療法: 放射線を照射してがん細胞を殺す
  • 造血幹細胞移植: 健康な造血幹細胞を移植して、血液を作り出す機能を回復させる
  • 免疫療法: 体の免疫機能を利用してがん細胞を攻撃する

神経芽腫の予防

神経芽腫の確実な予防法はまだ確立されていません。しかし、妊娠中の栄養管理や、胎児への影響が懸念される物質への曝露を避けるなど、健康的な生活を送ることが大切です。

神経芽腫の予後

神経芽腫の予後は、腫瘍の大きさ、発生部位、年齢、病期、遺伝子型などによって大きく異なります。早期に発見され、適切な治療が行われた場合は、高い治癒率が期待できます。

まとめ

神経芽腫は小児がんの一種ですが、早期発見・早期治療が重要です。治療法は、患者さんの状態に合わせて個別に決定されます。もし、お子さんに気になる症状がある場合は、早めに小児科医にご相談ください。

ご自身の状況やお子さんの状態について、より詳しく知りたい場合は、医師にご相談ください。

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