脳膿瘍とは?
脳膿瘍とは、脳内に膿が溜まってしまう病気です。膿の中には様々な種類の細菌や真菌などが含まれており、脳組織を破壊し、神経症状を引き起こします。
脳膿瘍の原因
脳膿瘍の原因は様々ですが、大きく分けて以下の3つの経路が考えられます。
- 直接感染: 中耳炎、副鼻腔炎、頭部の外傷など、脳に近い部位の感染が直接脳に広がるケースです。
- 血行性感染: 遠隔の感染巣(肺、心臓、腎臓など)から細菌が血液に乗って脳に運ばれ、脳内に膿瘍を形成するケースです。
- 外傷による感染: 頭部の外傷によって細菌が脳内に侵入し、膿瘍を形成するケースです。
脳膿瘍の症状
脳膿瘍の症状は、膿瘍の大きさ、場所、原因となる病原体などによって様々です。一般的な症状としては、以下のものが挙げられます。
- 頭痛: 最も一般的な症状で、持続的で激しい頭痛が特徴です。
- 発熱: 高熱が出ることもあります。
- 嘔吐: 頭痛に伴って嘔吐することもあります。
- 意識障害: 意識レベルが低下し、昏睡状態になることもあります。
- 神経症状: 脳のどの部分が侵されるかによって、麻痺、感覚異常、言語障害、視力障害などの神経症状が現れることがあります。
- けいれん: 脳の電気的な異常活動により、けいれん発作が起こることがあります。
脳膿瘍の診断
脳膿瘍の診断には、以下の検査が用いられます。
- CTスキャン: 脳内の腫瘍や膿瘍を画像として捉えることができる検査です。
- MRI: CTスキャンよりも詳細な画像を得ることができ、膿瘍の大きさや位置を正確に把握することができます。
- 脳脊髄液検査: 脳脊髄液を採取し、細菌や真菌の有無、炎症の程度などを調べます。
- 血液検査: 炎症反応や感染の有無を調べます。
脳膿瘍の治療
脳膿瘍の治療は、抗生物質による治療と外科的な治療を組み合わせることが一般的です。
- 抗生物質: 原因となる病原体に対して効果のある抗生物質を静脈注射で投与します。
- 外科治療: 膿瘍が大きい場合や、抗生物質治療に反応しない場合は、手術によって膿を排出したり、膿瘍を切除したりすることがあります。
脳膿瘍の予防
脳膿瘍の予防には、以下のことが重要です。
- 感染症の治療: 中耳炎、副鼻腔炎などの感染症は早期に治療することが大切です。
- 頭部外傷の予防: 頭部への強い衝撃は避けるようにしましょう。
- 免疫力の低下を防ぐ: 健康な生活を送ることで、免疫力を高めましょう。
脳膿瘍の合併症
脳膿瘍は、適切な治療を行わなければ、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。
- 脳の炎症: 膿瘍周囲の脳組織が炎症を起こし、神経機能障害を引き起こすことがあります。
- 脳梗塞: 脳の血管が詰まり、脳組織が壊死する状態です。
- 脳膿瘍の破裂: 膿瘍が破裂し、脳内に膿が拡散することで、重篤な状態になることがあります。
- てんかん: 脳膿瘍を患った後、てんかん発作を起こすことがあります。
まとめ
脳膿瘍は、早期に診断・治療を行わないと、命に関わることもある重篤な病気です。頭痛や発熱などの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。