熱性けいれん

熱性けいれんとは?

熱性けいれんとは、38℃以上の発熱を伴って起こるけいれんで、乳幼児期に多くみられる症状です。通常、脳に器質的な異常はなく、熱が原因で一時的に脳の活動が過剰になり、けいれんを起こします。多くの場合、1回のけいれんで済み、成長とともに自然に治まります。

熱性けいれんの原因

熱性けいれんの詳しい原因は解明されていませんが、以下の要因が考えられています。

  • 脳の未熟さ: 乳幼児の脳は未熟なため、熱に敏感に反応しやすく、けいれんを起こしやすいと考えられています。
  • 遺伝的要因: 家族に熱性けいれんの既往歴がある場合、お子様も発症しやすい傾向があります。
  • 急激な体温上昇: 短時間に体温が急上昇すると、脳がその変化にうまく対応できず、けいれんを起こすことがあります。

熱性けいれの症状

  • けいれん: 全身が硬直したり、手足がぴくぴく震えたりします。
  • 意識消失: けいれん中は意識を失っていることが多いです。
  • 眼球の振動: 目が上下左右に振れることがあります。
  • 呼吸の変化: 呼吸が速くなったり、一時的に呼吸が止まることがあります。
  • 口から泡を吹く: 口から泡を吹いたり、よだれを流すことがあります。

熱性けいれんの種類

  • 単純型熱性けいれん: 1回のけいれんが15分以内、24時間以内に1回のみ、左右対称に起こるなど、比較的軽症なタイプです。
  • 複雑型熱性けいれん: 15分以上続く、24時間以内に何度も起こる、片側だけのけいれんなど、単純型に比べて重症なタイプです。

熱性けいれんの治療

熱性けいれんの治療は、主にけいれんが起きた時の対応と、発熱の原因となる病気の治療が中心となります。

  • けいれん中の対応:

    • 安全な場所へ移動: 周囲のものを片付け、安全な場所に移動させます。
    • 体を横向きにする: 嘔吐物を誤嚥するのを防ぐため、体を横向きにします。
    • 口の中に何も入れない: 指やスプーンなどを口の中に入れると、歯を傷つける可能性があります。
    • 救急車を呼ぶ: けいれんが5分以上続く場合や、呼吸が止まっている場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
  • 発熱の原因となる病気の治療: 熱の原因となる風邪やインフルエンザなどの病気に対して、適切な治療を行います。

熱性けいれんの予防

熱性けいれんを完全に予防することは難しいですが、以下のことに注意することで、発症のリスクを減らすことができます。

  • こまめな体温測定: 熱が出始めたら、こまめに体温を測り、急激な体温上昇を防ぎましょう。
  • 解熱剤の適切な使用: 医師の指示に従って、解熱剤を適切に使用しましょう。
  • 安静: 熱が出たら、安静を保ち、体を休ませましょう。
  • 水分補給: 脱水症状を防ぐために、こまめに水分を補給しましょう。

熱性けいれんに関するよくある質問

  • 熱性けいれんは脳に悪影響があるの? 単純型熱性けいれんの場合、脳に後遺症が残ることはほとんどありません。
  • 熱性けいれんは繰り返すの? 一度熱性けいれんを起こしたお子様は、再び起こる可能性が高くなります。
  • 熱性けいれんは成長すると治るの? 多くの場合、成長とともに自然に治まります。
  • 熱性けいれんは予防接種と関係があるの? 予防接種が直接の原因となることはありません。

まとめ

熱性けいれんは、乳幼児期に多くみられる一時的な症状で、多くの場合、自然に治まります。しかし、けいれん中は慌てず、落ち着いて対応することが大切です。お子様が熱性けいれんを起こした際は、必ず小児科医にご相談ください。