精巣捻転

精巣捻転とは?

精巣捻転とは、精巣がその支持組織である精索を軸に回転し、血管が締め付けられて血流が遮断される状態を指します。これにより、精巣に酸素や栄養が供給されなくなり、放置すると数時間以内に壊死してしまう可能性がある緊急性の高い病気です。

精巣捻転の原因

精巣捻転の詳しい原因は解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。

  • 精巣の固定不全: 通常、精巣は陰嚢内で固定されていますが、この固定が不十分な場合、外力が加わると捻転を起こしやすくなります。
  • 精索の異常: 精索に異常がある場合も、捻転のリスクが高まります。
  • 外傷: 強い衝撃や外傷が原因で、精巣が捻転することがあります。

精巣捻転の症状

精巣捻転の主な症状は以下の通りです。

  • 激しい痛み: 突然、陰嚢や下腹部などに激しい痛みを感じます。
  • 腫脹: 患側の精巣が腫れ上がります。
  • 吐き気や嘔吐: 痛みによって、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

これらの症状は、運動中や睡眠中に突然現れることが多く、痛みは非常に強く、我慢できないほどの場合もあります。

精巣捻転の治療法

精巣捻転は、早期に適切な治療を行わないと、精巣が壊死してしまう可能性があります。治療法としては、以下の方法が一般的です。

  • 手術: 捻じれた精巣を元の位置に戻し、固定する手術を行います。早期に手術を行うことで、精巣を温存できる可能性が高まります。
  • 薬物療法: 消炎鎮痛剤や吐き気止めなどの薬物療法を行います。

精巣捻転の予防

精巣捻転の予防は難しいですが、以下の点に注意することで、リスクを減らすことができます。

  • 定期的な健康診断: 小児期から定期的に泌尿器科を受診し、精巣の異常がないかチェックしてもらうことが大切です。
  • 外傷に注意: スポーツ活動など、外傷を伴う可能性がある活動をする際は、保護具を着用するなど、注意が必要です。

精巣捻転に関するQ&A

  • Q. 精巣捻転はどの年代に多いのですか? A. 思春期前後の男子に多くみられますが、どの年代でも起こる可能性があります。
  • Q. 精巣捻転と間違えやすい病気はありますか? A. 精巣炎や精巣上体炎などが挙げられます。これらの病気は、精巣捻転に比べて痛みが比較的軽いことが特徴です。
  • Q. 精巣捻転になると不妊になりますか? A. 患側の精巣が壊死してしまうと、不妊になる可能性があります。しかし、早期に治療を行えば、不妊を防げることもあります。

まとめ

精巣捻転は、早期に治療を行わないと、精巣が壊死してしまう可能性がある緊急性の高い病気です。突然、激しい痛みを感じたり、陰嚢が腫れたりした場合には、すぐに医療機関を受診することが重要です。

もし、精巣に異常を感じたら、自己判断せず、必ず医師にご相談ください。