狂犬病

概要

狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染することで発症する、人獣共通感染症です。一度発症するとほぼ100%死亡する非常に恐ろしい病気です。

原因

狂犬病ウイルスは、主に感染した動物(犬、猫、コウモリなど)の唾液に含まれており、噛まれることによって感染します。まれに、傷口を舐められたり、ウイルスに汚染された空気を吸い込むことによっても感染する可能性があります。

症状

狂犬病の潜伏期間は数日から数ヶ月と個体差が大きく、感染経路やウイルス量によっても異なります。

発症すると、以下の様な症状が現れます。

  • 初期症状: 発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛など、風邪のような症状が現れます。
  • 神経症状: 感染部位の痛み、かゆみ、異常感覚、嚥下困難、恐水症(水を飲むとけいれんを起こす)、恐風症(風を恐れる)、幻覚、興奮状態など、神経症状が徐々に現れます。
  • 麻痺期: 全身が麻痺し、呼吸困難となり、最終的には呼吸停止で死亡します。

治療法

発症後の治療法は、残念ながら確立されていません。 一度発症してしまうと、ほぼ100%死亡すると言われています。

予防

狂犬病は、予防が最も重要です。

  • 動物との接触時の注意:
    • 動物をむやみに触らない。
    • 特に海外の動物には注意し、特に狂犬病が流行している地域では、動物との接触を避ける。
    • 動物に噛まれたり引っかかれた場合は、すぐに傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関を受診する。
  • ワクチン接種:
    • 動物: 犬などのペットは、狂犬病ワクチンを接種することが法律で義務付けられています。
    • 人: 狂犬病が流行している地域に渡航する場合は、事前にワクチン接種を検討する。
  • 暴露後予防接種:
    • 狂犬病に感染した可能性のある動物に咬まれたり、引っかかれた場合は、直ちに医療機関を受診し、暴露後予防接種を受ける。

Q&A

Q1. 日本で狂犬病にかかる可能性はありますか?

A1. 日本国内では、犬の登録と予防注射が徹底されているため、狂犬病の発生は確認されていません。しかし、海外からの持ち込みや、野生動物を介した感染の可能性はゼロではありません。

Q2. 狂犬病のワクチンは安全ですか?

A2. 狂犬病ワクチンは、安全性が高いワクチンとして知られています。副作用は、接種部位の痛みや赤みなど、軽度のものが多く、重篤な副作用は非常に稀です。

Q3. 暴露後予防接種とは?

A3. 狂犬病に感染した可能性のある動物に咬まれたり、引っかかれた場合に、発症前にウイルス増殖を抑制するために実施するワクチン接種です。

Q4. 狂犬病ウイルスはどのように感染しますか?

A4. 主に感染動物の唾液に含まれるウイルスが、傷口から侵入することで感染します。まれに、粘膜や傷口の浅いところから感染することもあります。

Q5. 狂犬病の潜伏期間はどのくらいですか?

A5. 数日から数ヶ月と個体差が大きく、感染経路やウイルス量によっても異なります。

まとめ

狂犬病は、一度発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気ですが、予防接種によって十分に防ぐことができます。海外旅行に行く際は、事前に渡航先の狂犬病情報を入手し、必要な予防策を講じましょう。また、ペットを飼っている場合は、狂犬病ワクチンをきちんと接種し、規則正しい健康管理を行いましょう。

もし、動物に噛まれたり引っかかれた場合は、慌てず、すぐに医療機関を受診することが大切です。