エムポックス

エムポックスとは?

エムポックスは、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによる感染症です。2022年5月以降、世界的に流行し、日本でも2022年7月に最初の患者が確認されました。

原因

  • 感染経路: 感染した人や動物の皮膚の病変、体液、血液との接触(性的接触を含む)、患者との接近した対面での飛沫への長時間の曝露、患者が使用した寝具などとの接触などにより感染します。
  • 病原体: エムポックスウイルスには、コンゴ盆地型と西アフリカ型の2つの系統があり、コンゴ盆地型の方が重症化する傾向があります。

症状

潜伏期間は1~21日(多くは1週間以内)で、発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが1~5日続き、その後発疹が出現します。発疹は水疱状になり、最後にはかさぶたになってはがれ落ちます。

治療法

現在、エムポックスに対して特効薬はありません。主に、対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。

予防

  • ワクチン: 天然痘ワクチンが、エムポックスに対して約85%の発症予防効果があるとされています。
  • 感染経路の遮断: 感染した人や動物との接触を避け、手洗い、咳エチケットを徹底しましょう。
  • 渡航前対策: エムポックスが流行している地域への渡航前には、最新の情報を収集し、必要に応じてワクチン接種や予防策を検討しましょう。

Q&A

Q1. エムポックスはどのくらい重症化するのですか? A1. 重症度は個人の免疫状態やウイルス株の種類によって異なります。一般的には、西アフリカ型の方がコンゴ盆地型に比べて重症度は低いとされていますが、いずれも重症化し、死亡することもあります。

Q2. エムポックスはどのように診断されますか? A2. 発疹の形状や分布、患者さんの渡航歴や接触歴などを総合的に判断し、PCR検査などによりウイルス遺伝子を検出することで診断されます。

Q3. エムポックスはどのくらいの期間隔離が必要ですか? A3. 発疹がすべてかさぶたで覆われ、かさぶたが自然に脱落するまで隔離が必要です。通常は数週間程度です。

Q4. エムポックスは性行為によって感染しますか? A4. はい、性の接触によって感染する可能性があります。特に、男性間性行為において感染リスクが高いことが報告されています。

Q5. ペットはエムポックスに感染しますか? A5. ペットがエムポックスに感染する可能性は低いですが、念のため、ペットとの接触を控えることが推奨されます。

まとめ

エムポックスは、人獣共通感染症であり、感染経路を遮断することが最も重要な予防策です。海外渡航前には、渡航先の感染状況を事前に確認し、必要な予防策を講じることが大切です。

注意: この情報は一般的な情報であり、医療に関するアドバイスではありません。詳細については、医師にご相談ください。