続発性腎臓疾患とは、原因となる全身疾患があって、そのために起こる腎臓疾患の総称です。
腎臓に以上を起こす原因疾患は自己免疫疾患や糖尿病、痛風などさまざまです。
ループス腎炎
ループス腎炎は全身性エリテマトーデス(SLE)によって起こる腎炎です。
SLEは原因不明の慢性の自己免疫疾患で、20代女性に好発します。
SLEでは、血管や組織に沈着した免疫複合体や血管や組織を新色してしまいます。
全身に下記の様にいろいろな症状があらわれます。
- 関節痛が全身に起こる
- 微量をはさんだ頬に特徴的な蝶の形の紅斑があらわれる
- 寒気にさらされた時や冷たい水に手を入れた時、手の血流が異常に少なくなり、手指が真っ白になる「レイノー現象」がみられる
- 発熱
- 貧血や紫斑がみられる
- 胸水や腹水、心筋と心臓の間などに水がたまる
- むくみ
- 手足の紅斑や脱毛
- 口腔潰瘍
- けいれんなどの神経系の症状があらわれる
糖尿病性腎症
糖尿病は血液中の血糖を下げるはたらきをするインスリンというホルモンが十分に作用しないために起こる病気です。
日本では「国民病」といわれるまでに患者数が増加しており、予備軍まで含めると1400万人近い人数になるとされています。
糖尿病の症状としては下記のようなものがあらわれます。
- 尿に糖が異常に多く排泄される
- 倦怠感
- 体重が急激に減少する(重い糖尿病の場合)
- 口渇および多飲
- 多食
- 多尿
- 精力の減退
糖尿病で問題になるのが、全身にあらわれる合併症です。
血糖値が高くなった血液は、あちらこちらの血管で様々な症状を引き起こします。
糖尿病性腎症以外にも下記の様な合併症があります。
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病性神経障害
- 腎盂腎炎などの感染症
- 高脂血症
- 狭心症、心筋梗塞
- 壊疽などの末梢血管障害
- 手足の麻痺、運動障害
- 膀胱の機能障害
糖尿病性腎症とは、血糖値の高い血液によって糸球体硬化性病変が引き起こされ、それが徐々に進行していく病気です。
糖尿病の合併症のなかではかなりの頻度で発症し、重大な結果を招くことも少なくありません。
新規に透析療法をはじめる患者さんの中で、糖尿病性腎症が原因の人が圧倒的に多数を占めています。
糖尿病性腎症の治療の中心は、血糖コントロールと血圧コントロールです。
つまり、糖尿病自体の進行を止めることが第一になります。
初期の段階から、きちんとコントロールを続ければ、腎症の進行をある程度おさえられます。