腎臓でつくられた尿は腎盂、尿管、膀胱、尿道とすすんで行き、排泄されます。
腎盂から尿道までを尿路と呼びます。尿路にも様々な病気が発生してきます。
尿路感染とは?
尿路感染とは細菌などに感染して炎症を起こす病気です。
感染の原因となるのは大腸菌や結核菌、淋菌などがありますが、ほとんどは雑菌です。
感染のルートは
- 尿道から菌が逆行してくる上行性感染
- 腎臓や尿路にほかの病気があって感染が起こりやすい状態にあって起こる
- 性行為で起こる性感染症
の3つに分類されます。
1は圧倒的に女性に多く、これは女性のほうが尿道が短く、尿の出口が肛門に近いために感染を受けやすいことが考えられます。
尿路結石とは?
尿路のいろいろなところに石ができるもので、腎盂や腎杯にできれば腎盂結石、尿管に出来れば尿管結石、以下、膀胱結石、尿道結石と、結石の出来る場所によって呼び方が異なります。
その成分は、腎臓結石ではシュウ酸塩、膀胱結石は尿酸か尿酸塩が多くなっています。
年間、1000人に1人が結石にかかるといわれるほど患者数の多い病気ですが、実は結石の出来る原因は解明されていません。
食生活や気候、水道環境などが関係していると考えられますが、いずれもはっきりいいきれる原因ではないようです。
尿路結石では、脇腹や背中、腰の激痛が特長です。
これを疝痛(せんつう)といいます。結石が動くたびに疝痛は激しくなり、睾丸部や会陰部が痛みます。
これを「放散痛」といいます。
結石が尿管を通って膀胱に収まると一時的に痛みがおさまりますが排尿痛や残尿感があらわれてきます。
血尿がでることもしばしばです。さらに尿道に下りてきた結石は、やがて尿とともに排泄されます。
あまりの激痛に吐き気や嘔吐、冷や汗なども出て七転八倒し、本人も周囲の人も驚くのですが、結石が膀胱に落ち着くと激痛もおさまってけろっとしています。
これらの症状は、結石の移動によって起こるもので、腎臓内や膀胱内におさまっている場合はよほど大きな結石でない限り、それほど激しい症状があらわれるわけではありません。
しかし、知らない間に結石が大きくなって尿路をふさいでしまうと腎機能を低下させる「水腎症」と呼ばれる状態になり、腎不全に陥ってしまうこともあります。