発作性頻拍症について
概要
発作性頻拍症とは、心臓の拍動が突然速くなり、しばらくして元に戻る不整脈の一種です。心臓の上の部屋である心房から発生することが多く、心拍数が1分間に150~200回に達することもあります。発作は数分から数時間続き、突然始まり突然終わるのが特徴です。
原因
発作性頻拍症の原因は、心臓の電気信号の異常な経路が形成され、それが繰り返し興奮することで起こると考えられています。この異常な経路は、生まれつき存在する場合や、心臓の病気や加齢などが原因で後天的に形成される場合があります。
- 生まれつきの原因:
- WPW症候群:心房と心室を結ぶ電気的な経路(副伝導路)が生まれつき存在する状態
- 後天的な原因:
- 高血圧
- 心臓弁膜症
- 心筋症
- 甲状腺機能亢進症
- カフェインやアルコールの過剰摂取
- ストレス
症状
発作性頻拍症の主な症状は、以下の通りです。
- 動悸: 心臓がドキドキと速く鼓動している感じ
- 息切れ: 息苦しさを感じる
- めまい: ふらつきや立ちくらみを感じる
- 胸痛: 胸が締め付けられるような痛み
- 疲労感: 体がだるい、疲れやすい
- 動悸に伴う不安感
これらの症状は、発作中に突然現れ、数分から数時間続きます。発作が頻繁に繰り返されると、日常生活に支障をきたすことがあります。
診断
発作性頻拍症の診断は、医師による問診、心電図検査、ホルター心電図検査、運動負荷心電図検査などを行います。特に、発作中に心電図検査を行うことが重要です。
- 問診: 症状の詳細や過去の病歴などを詳しく聞きます。
- 心電図検査: 心臓の電気的な活動を記録し、不整脈の種類や頻度を調べます。
- ホルター心電図検査: 24時間~48時間、心電図を記録することで、発作がいつ起こるかを把握します。
- 運動負荷心電図検査: 運動中の心電図を記録し、発作を誘発したり、心臓の機能を評価したりします。
治療
発作性頻拍症の治療法は、発作の頻度、重症度、患者さんの年齢や基礎疾患などによって異なります。
- 薬物療法: 発作を予防したり、発作中に心拍数を遅くしたりする薬を使用します。
- カテーテルアブレーション: 心臓の異常な電気経路を焼灼して、発作を起こしにくくする方法です。
- 外科手術: 重症な場合や薬物治療やカテーテルアブレーションが効果がない場合に、外科手術が行われることがあります。
- 生活習慣の改善: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、カフェインやアルコールの摂取制限などが重要です。
予防
発作性頻拍症の予防には、以下の点に注意することが大切です。
- 規則正しい生活: 十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにしましょう。
- バランスの取れた食事: 塩分や脂肪分の摂り過ぎに注意し、規則正しい食生活を心がけましょう。
- 適度な運動: 毎日30分程度の有酸素運動を行うようにしましょう。
- カフェインやアルコールの摂取制限: カフェインやアルコールは、心拍数を上げる作用があるため、過剰な摂取は避けましょう。
- 定期的な健康診断: 高血圧、心臓病などの基礎疾患がある場合は、定期的に医師の診察を受けましょう。
まとめ
発作性頻拍症は、突然心臓がドキドキと速く鼓動する不整脈の一種です。治療法は、薬物療法、カテーテルアブレーション、外科手術などがあります。早期に診断し、適切な治療を受けることで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。もし、動悸などの症状が続く場合は、早めに医師に相談しましょう。