概要
サイトメガロウイルス(CMV)感染症は、ヘルペスウイルスの一種であるサイトメガロウイルスが原因で起こる感染症です。一度感染すると、生涯体内に潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化することがあります。新生児や免疫抑制状態にある人では、重症化することがあります。
原因
サイトメガロウイルスは、唾液、尿、血液、母乳など、様々な体液に含まれており、これらの体液と接触することで感染します。特に、幼少期に感染することが多く、生涯ウイルスを保有する人が多いです。
症状
- 多くの場合は無症状: 特に小児では無症状で経過することが多いです。
- 症状が出た場合: 発熱、倦怠感、リンパ節の腫れ、肝機能障害などがみられます。
- 新生児: 低出生体重、黄疸、肝脾腫、小頭症、難聴、視力障害など、重篤な症状が現れることがあります。
- 免疫抑制状態の人: 肺炎、網膜炎、脳炎など、重篤な合併症を引き起こすことがあります。
治療法
- 多くの場合は対症療法: 発熱や痛みなどの症状に対して、解熱剤や鎮痛剤などを用いて治療します。
- 重症例: 抗ウイルス薬(ガンシクロビルなど)が使用されることがあります。しかし、完全にウイルスを排除することは難しく、再発のリスクがあります。
予防
- ワクチン: 現在、有効なワクチンはありません。
- 感染予防:
- 手洗い:こまめな手洗いは基本です。
- 唾液や鼻水を触らない:特に乳幼児との接触時は注意が必要です。
- 輸血や臓器移植を受ける場合は、事前にCMV検査を受け、陰性の血液製剤や臓器を使用することが重要です。
- 妊婦は、CMV感染のリスクを下げるために、手洗いを徹底し、生肉を避け、猫との接触を控えるなど、注意が必要です。
Q&A
Q. サイトメガロウイルスに感染すると、必ず病気になりますか?
A. 必ずしも病気になるとは限りません。多くの人は、無症状で感染し、生涯ウイルスを保有します。免疫力が低下している人や新生児などでは、重症化するリスクが高まります。
Q. 妊婦がサイトメガロウイルスに感染すると、赤ちゃんにどのような影響がありますか?
A. 妊娠中に初感染すると、胎児に感染し、先天性CMV感染症を引き起こす可能性があります。新生児期に症状が現れることもあれば、成長してから症状が現れることもあります。難聴、視力障害、知的障害などの後遺症が残る可能性があります。
Q. サイトメガロウイルスは、どのくらいの人がかかっているのですか?
A. 成人の多くが、幼少期に感染し、抗体を持っていると言われています。
Q. サイトメガロウイルスは、どのくらいの間、体内にいるのですか?
A. 一度感染すると、生涯体内に潜伏します。
Q. サイトメガロウイルスは、どのように診断されますか?
A. 血液検査で、CMVに対する抗体やウイルス遺伝子を検出することで診断されます。
まとめ
サイトメガロウイルス感染症は、多くの人が感染する一般的なウイルス感染症です。多くの場合は無症状ですが、新生児や免疫抑制状態の人では重症化することもあります。予防には、手洗いや衛生面の徹底が重要です。妊婦の方は、特に注意が必要です。
ご自身の健康状態や、ご家族の健康について心配な場合は、医師にご相談ください。