高中性脂肪血症

エネルギー源として重要な中性脂肪

中性脂肪はトリグリセライドと呼ばれる、グリセロールという糖質に3つの脂肪酸がついたものです。

中性脂肪は、食物から摂取した糖質や脂質を原料とし体内で生成され、リパーゼという消化酵素によって脂肪酸とグリセロールに分解されます。

分解される際に生じる遊離脂肪酸は主にエネルギーとして使われ、余った遊離脂肪酸は脂肪細胞に蓄積されます。

中性脂肪は、本来は人間の身体が飽和状態になったときにエネルギー源として使われるため生命維持に欠かせない役割を果たしています。

しかし、飽食の現代社会では、人間が生きていくうえで多くの備蓄エネルギーは必要ではありません。

少なすぎるのも問題ですが、中性脂肪の過剰摂取は健康を害する危険因子のひとついなります。

中性脂肪が増えると善玉コレステロールが減る

糖質や脂質の過剰摂取によって中性脂肪の合成は活発化され、余剰の中性脂肪は血液中に溢れ、皮下や内臓にも脂肪として蓄積されるのです。

要するに肥満を促進することになります。

肥満は糖尿病や高血圧の危険因子として生活習慣病の根源ともいわれますが、この肥満の根源こそが中性脂肪なのです。

血液中に増えた中性脂肪は血管を掃除する役目を果たす善玉コレステロールを減らしていきます。

その結果、血液中の悪玉コレステロールが増え動脈硬化になるリスクが高くなってしまいます。

さらには、血液中の中性脂肪が増えると悪玉コレステロールの粒子が小さくなり、血管壁に侵入しやすくなります。

高脂血症の原因は中性脂肪の残骸

日本人男性の心筋梗塞の原因として最も多いのが高中性脂肪血症と言われています。

それに付随して最近注目されているのが『レムナント』と呼ばれる物質です。

これはコレステロールから分解されてできるカイロミクロンが更に分解される過程で発生するリポ蛋白で、いうならば中性脂肪の残骸です。

レムナントは、通常であれば食事を済ませた数時間後には肝臓に取り込まれますが、生まれつきの体質や食習慣によって、いつまでも血液中に留まってしまう場合があります。

この状態を『食後の高脂血症』と呼び、脳卒中や心筋梗塞を患った方に多く見られる症状です。

レムナントはものすごく小さな粒子なので血液中に長時間留まっていると細胞が九州市、動脈壁にコレステロールが沈着します。

血液中のレムナントが消滅せずに長時間留まってしまう理由としてあげられるのが、中性脂肪を消化する酵素が不足しているなどの体質です。

その他にも、デザートやお菓子など甘いものや脂肪分の多い食品の過剰摂取やアルコールの大量摂取、寝る前の高エネルギーな夜食などといった食習慣が関係してきます。

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