脳や心臓、肝臓などの働きを高めるアミノ酸
タウリンは、臓器や骨格筋に広く存在するアミノ酸で、それぞれの機能を強化する作用があります。これは、体内では必要量の半分ほどしか合成されずに、ほとんどを食品からの摂取に頼っています。
肝臓や腎臓はタウリンを合成することができますが、心臓はタウリンをつくることができません。そのため、心不全や不整脈、高血圧の治療薬としてタウリンが使われることがあります。
コレステロール値を下げ、血圧を正常に保つ
タウリンには、胆汁酸の分泌を促進する作用もあります。
胆汁酸はコレステロールを材料にしてつくられますが、体内の余分なコレステロールを排泄する働きがあります。
ですから、タウリンを多くとることは総コレステロール値を下げて、HDLコレステロールを増やすことにつながります。
そのほか、交感神経の働きを抑えて高血圧を予防したり、インスリンの分泌を促進して血糖値を下げる働きもあります。
貝類、いか、たこはタウリンの宝庫
タウリンは主に動物の筋肉に含まれていますが、肉には少なく魚介類に多く含まれています。
とくに、サザエ、トコブシ、牡蠣などの貝類や、いか、たこなどの甲殻類に豊富に含まれます。魚ではまぐろ、ぶりなどの血合い部分やひらめなどに含まれます。
以前は、いかやたこ、貝類はコレステロールの多い食品とされていましたが、計測法が変わったことでコレステロールはそれまでの半分程度しかないことが明らかになっています。
逆に、心臓病や肝臓病を予防するタウリンが豊富に含まれていることがわかり、見直されてきました。
貝類は塩分が多めなので、薄味にして食べるとなおよいでしょう。
いかやたこは比較的エネルギーが低く、高タンパク食品ですから、肥満が心配な人のタンパク質源としてもおすすめです。
ただし、タウリンを多く含む食品は、高尿酸血症を誘発するプリン体も多く含んでいます。
尿酸値が高い人や、痛風を起こしたことがある人は食べ過ぎないようにしましょう。