脂肪肝の食事療法は良質なタンパクと低カロリーが原則
肝臓の細胞や肝臓内の数百種類に及ぶ酵素は、タンパク質からできています。このため、何らかの障害を受けた肝臓の再生や機能回復には、肝細胞の材料になるタンパク質が必要になってきます。
脂肪肝も同様です。脂質や糖質はなるべく減らして良質なタンパク質を1日に最低でも100グラムは意識的に食べるように心がけたいものです。
必須アミノ酸を多く含む良質なタンパク質で肝臓を再生
良質なタンパク質とは、人間の体内では合成できないアミノ酸を豊富に含んでいるタンパク質のことです。タンパク質は約20種類のアミノ酸からできています。その中の8種類は、必須アミノ酸と呼ばれ、食品から取り入れて補うしかありません。
必須アミノ酸の種類
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- リジン
- トリプトファン
- スレオニン
- メチオニン
- フェニルアラニン
この必須アミノ酸をより多く含んでいる食品こそ良質のタンパク質なのです。卵・乳製品、肉類、魚類、大豆製品などがこれに当てはまります。
リノール酸を含む大豆製品を積極的に食べよう
良質なタンパク質を含む代表的な食べ物と言えば、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルト、鶏肉、牛肉、豚肉、レバー、イワシ、マグロ、アジ、エビなどですが、特に魚類には、コレステロールを胆汁に変えて細胞膜を作る働きをするタウリンと言う成分が豊富に含まれており、肝臓にも優しい食品です。
また適度な脂質で、良質なタンパク質に富んでいる食品と言えば大豆製品です。大豆製品はリノール酸という、人の体で合成できない必須脂肪酸(不飽和脂肪酸)を含んでおり、コレステロールを分解してくれます。食物繊維やカリウムも豊富に含まれているので、中性脂肪の吸収を抑制する働きも期待できます。肝臓の機能が悪い人、特に脂肪肝と診断された人や脂肪肝が心配な人は、手軽に食卓で用意できる豆腐や納豆を、毎日積極的に摂取するするようにしたいものです。
脂肪肝に良い食べ物一覧
- 木綿豆腐・・・タンパク質、カルシウムが豊富に含まれている
- 絹ごし豆腐…・・・ビタミンB群、カリウムが多く含まれている
- おから・・・食物繊維を豊富に含んでいる
- 厚揚げ・・・リノール酸を多く含んでいる
- 納豆・・・ビタミンB2が豊富、ビタミンKを作る
- 豆乳・・・牛乳に比べて脂質が少ない
- きなこ・・・食物繊維が多い
- 高野豆腐・・・タンパク質を豊富に含んでいる